瘢痕・瘢痕拘縮
症状と原因
怪我や手術の傷が赤く盛り上がったり、ひきつれたりします。傷の痛みや痒みを伴うこともあります。傷跡を「瘢痕」、傷跡のひきつれを「瘢痕拘縮」、盛り上がった傷跡を「肥厚性瘢痕」と呼びます。もとの傷の範囲を超えて赤みや盛り上がりが広がることをケロイドと呼びます。
一般的に傷口が閉じ、縫った糸を除去するのは1〜2週間程度です。一見傷は治った様に見えますが、皮膚の下では炎症が続いています。正常な状態では3か月〜1年かけて炎症が消失し、肌の色に近い傷跡になります。この傷が治る過程で物理的刺激や体質などの要因が加わると、炎症が継続してしまい肥厚性瘢痕になります。
治療
肥厚性瘢痕の予防として、傷への伸展刺激や摩擦刺激などの物理的刺激を起こさない様にテーピングを行います。肥厚性瘢痕になった場合には半年程は自然に良くなるか様子を見ますが、症状が強い場合にはスポンジやテープによる圧迫や塗り薬を使用することもあります。
肥厚性瘢痕が経過を見ても改善しない場合や、瘢痕拘縮で手指の動きに制限をきたす場合には、瘢痕部を切り取って再度縫い直します。瘢痕を単純に切除する場合もありますが、皮膚に特別なデザインを行う場合もあります(Z形成術)。瘢痕拘縮が改善して指が伸びる様になると皮膚が足りなくなる場合もあり、他の部位から皮膚を持ってくる植皮術を併用する場合もあります。