手外科研修

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2023年度手外科研修医を公募いたします

公募内容

対象 整形外科又は形成外科専門医取得後、手外科専門医を目指す医師
期間 1年間(短期も応談)
給与 病院規定により支給
問い合わせ先 福本恵三 fukumoto@jikei.or.jp

研修レポート

2019年7月〜2020年7月研修生 橋本医師



2019年4月、埼玉慈恵病院に埼玉手外科マイクロサージャリー研究所が開設されました。ご縁がありまして、私は最初のフェローとして2019年7月から1年間研修させていただくことができました。まだ新しくできたばかりの施設でしたが、福本惠三先生、小平聡先生の両先生に加えて優秀なOTのメンバーも備わったチームでした。当時は仮設の外来で診療を行い、手術室数が少なかったため手術枠も少ないといった状況でしたが、現在は手外科専用の棟が建設されて外来や手術室が新設されています。 私は手外科医を志す整形外科医であって、それまでは主に骨折の治療に多く携わってきました。しかし、軟部組織の扱いやマイクロサージャリーに関する知識や経験は浅く、手外科の研修に加えて、形成外科医が持つ知識や技術を習得する必要があると考えていました。 実際の研修では、手外科の診療、指の再接着や皮弁などの術者・助手も経験させていただきました。助手として指導医の手術を見て、その後に自分でも執刀させていただいて、理想的な環境でした。 2人の指導医は常に学ぶ姿勢を持っておられ、医師を続ける限り何年経っても見習わなければならないと思いました。OTがカンファレンスに参加し医師と対等に意見を述べ、治療の改良点を検討していることは自分が今後働く病院でも取り入れるべきことだと思いました。 実りがあり楽しかった1年間の研修は、非常に短く感じました。長野県に戻ってきた今は、未熟なりにも手外科診療を行い、遊離皮弁やマイクロサージャリーも行うことができています。 最後に、福本先生、小平先生、手外科のスタッフ、それから心地よい環境で研修する機会を与えていただいた理事長先生・院長先生を始め病院の皆様に感謝の意を表します。

2021年4月~2022年9月研修生 坊英明医師



私は東京慈恵会医科大学形成外科学講座に所属しておりますが、この度1年間半、埼玉手外科マイクロサージャリー研究所で研修を受ける機会をいただきました。赴任した当初は手外科スペシャリストの先生方に囲まれた環境に非常に緊張しておりましたが、どの先生も私を温かく迎えてくださいました。外傷、変性疾患ともに多くの患者さんがいらっしゃり、手外科専門医の先生方のご指導のもと、外来や手術を通じてたいていの主な手外科疾患の患者さんの診療に携われたかと思います。毎週行われる術前・術後カンファレンスでは、ハンドセラピストの方々も参加され、患者さん1人1人の仕事や生活の環境や希望を考慮した上で最善と考えられる術式、術中の工夫、後療法について最新の知見を含めて熱い議論が行われ、大変有意義でした。学会発表の機会も数多くいただき、研究も始めさせていただきました。病院の他の科の先生方や病棟・外来・手術室のスタッフも協力的な方ばかりですし、手術室が増設され、マイクロサージャリートレーニング室ができるなど設備面でも充実してきています。これほど手外科とマイクロサージャリーに集中できる施設は少ないかと思います。半年でも長くこの病院にいたかったというのが本音ですが、この貴重な経験を今後の診療や研究に活かし、大学の後輩医師たちにも伝えてまいります。

2022年6~8月研修生 Patrick Michael V. Manalaysay , MD


Patrick Michael V. Manalaysay , MD From Sarangani Provincial Hospital- Malungon, Sarangani Province, Philippines

慣れ親しんだ環境から一歩踏み出すことは、当初はとても勇気がいることでした。埼玉慈恵病院での研修が始まるに際し、故郷を離れ、新しく慣れない環境に身を置き、これから3ヶ月間に研修を受けることへの不安は正直なところありました。しかし、到着してすぐに病院とスタッフ方々が私を気遣ってくれたので不安はすぐに解消されました。母国での研修では外傷の症例が中心でしたが、フェローシップ研修では今まで経験したことのない症例や、自分にとって足りていない分野を経験ができるプログラムを選びました。そのため埼玉手外科マイクロサージャリー研究所は手の外科をもっと学びたいと考えていた私にとって、まさにうってつけの病院でした。 3ヶ月間の研修では術前術後カンファレンスに参加し、術前評価、治療計画、術後評価について議論しました。また、毎週ジャーナルプレゼンテーションがありこの分野の最新の文献を学ぶことは、知識をアップデートするために欠かせないものでした。このカンファレンスで最も気に入ったのは、ハンドセラピストが同席し、患者さんが術後に適切タイミングで適切なリハビリテーションを受け、速やかに元の状態に戻れるようにみんなで検討していたことです。また、朝の回診では術後ケアの一環として患者さんを診察しました。このような学びの過程で術後のケアやリハビリテーションは術前計画や術中判断と同じくらい重要であることを学び、患者さんに総合的なケアを提供するためにはあらゆる段階が不可欠であることを実感しました。また、マイクロサージャリーのトレーニングも受けることができ、毎週トレーニングルームに通い様々なスタッフから基本やテクニックを教わり、マイクロサージャリーへの道を歩み始めるにあたってとても良い土台となりました。手術では腱移植、Dupuytren‘s拘縮、足趾移植、肘部管症候群、胸郭出口症候群、手の先天異常、CM関節症に対する様々な治療、遊離皮弁(SCIP、内側足底、血管柄付き骨移植)、DRUJの変形性関節症、切断指の再接着など、様々な手術を経験することが出来ました。 この素晴らしい研究所で研修できたことを大変光栄に思いますし、謙虚な気持ちにもなります。この経験では手の外科とマイクロサージャリーの分野で本当に多くのことを学べました。この研究所は、時間と専門知識を惜しみなく提供してくれ、私は非常に快適な学習環境で研修できました。私のように手外科医を目指す者にとって、最新の機器やさまざまな症例、そして何よりも、指導者としてこの分野における素晴らしい手術の技術と豊富な知識で私を導いてくれた人たちと一緒に仕事ができることは喜びでした。すべてに感謝し、この経験を決して忘れることはないでしょう。私がこの埼玉慈恵病院手外科マイクロサージャリー研究所で学んだ素晴らしい医療を故郷の整形外科医たちにも見せてあげられるよう、さらに研鑚し、学んだ知識を共有していきたいと思っています。

 
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