ハンドセラピィ

  • HOME »
  • ハンドセラピィ

当院ハンドセラピィの概要

当院では、20194月より手外科開設と同時にハンドセラピィも開始されました。ハンドセラピィは手外科に特化したリハビリテーションであり、専従のセラピストで構成されています。20218月にはハンドセラピィ専用スペースの「ハンドセラピィ室」での運用(1)20249月には一般社団法人日本ハンドセラピィ学会が認定した認定ハンドセラピストの常勤、また今後認定ハンドセラピストの養成機関となる認定臨床研修施設に認定される予定と、質の高いハンドセラピィの提供に努めています。

図1 ハンドセラピィ室


当院でのハンドセラピィは、肘から手にかけての骨折、腱損傷や切断などの外傷、変形性関節症や腱鞘炎、末梢神経障害などの変性疾患など、様々な疾患に対応しております。内容は大きく後療法(手術後のリハビリ)と保存療法に分けられます。後療法は外傷や手術後の合併症である浮腫や関節可動域制限、腱滑走制限、痛みなどに対して、また保存療法では痛みやしびれ、関節可動域制限、腱通過障害などに対して、徒手療法、物理療法、スプリント療法、自主リハビリ指導などをご提供しております。スプリント療法は、担当セラピストが治療の一環として作製するオーダーメイドとなっており、手の機能改善に伴う微調整も可能です(図25)。手に機能障害をお持ちの方に共通してみられるのが浮腫と熱感です。毛細血管が拡張し血流が増すことによる発熱、拡張された血管からは血漿(多くが水分)が漏れて浮腫が生じます。このような手に対して冷水などの冷却で血管を収縮させる必要があります(図6)。また術後においては、症状に応じて早期よりリハビリを開始し(7)、術後合併症を最小限に抑えることを意識しています。


図2 指の動きを矯正するスプリント

図3 指の動きを矯正するスプリント

図4 母指CM関節症に対する安静目的のスプリント

図5 スプリント作製に用いる作業台

図6 水浴による冷却

図7 術直後のセラピィの様子


当院ハンドセラピィの特徴は、埼玉手外科マイクロサージャリー研究所所長の福本恵三先生、副所長の小平聡先生を筆頭とした手外科医との交流が密であるという点にあります。週2回のカンファレンスでは自由に意見が述べられる雰囲気の中で治療方針の検討が行われ、多くのことを学ぶ貴重な時間帯となっております。また、診察室とハンドセラピィ室が共通フロアにあるため、手外科医との連携が容易に行われる環境にあります(図8)。

8 診察室・ハンドセラピィ室のフロア

今後も手外科医と共に、より質の高い治療が提供できるよう努力してまいりたいと思います。なおリハビリ実施においては医師の処方が必要ですので、まずは医師の受診をお願い致します。
また、ハンドセラピィに興味がある作業療法士、及び理学療法士の方については、施設見学など求人に関するお問い合わせはいつでも受け付けています。経験は問いませんので、気軽にご連絡下さい。


主な学会・論文・講演の活動

【2019年】

1)坂幸太郎
片側性指神経損傷に対するSemmes Weinstein Monofilament Test測定部位の検討
固有神経領域に区分した方法を用いて
第31回日本ハンドセラピィ学会学術集会(札幌市) 4月19日~20日

2)阿部幸一郎
手の管理・浮腫・腫脹
第31回日本ハンドセラピィ学会学術集会(札幌市) 4月19日~20日

3)阿部幸一郎
胸郭出口症候群にて演奏が不能になったバイオリン奏者に対する神経モビライゼーション
第30回日本末梢神経学会学術集会(金沢市) 8月23日~24日

4)坂幸太郎
24年間放置された陳旧性手指屈筋腱断裂に対する後療法の経験
日本ハンドセラピィ学会誌:11巻2号,68-71

5)阿部幸一郎
手の管理・浮腫・腫脹
日本ハンドセラピィ学会誌:12巻1号,25-28

【2020年】

1)坂幸太郎
片側性指神経損傷の術前Semmes-Weinstein monofilament Testの有用性
-神経断裂の有無に着目して-
第34回東日本手外科研究会(東京都) 2月1日

2)阿部幸一郎
橈骨神経管症候群が疑われた胸郭出口症候群例の2症例:東日本手外科研究会
第34回東日本手外科研究会(東京都) 2月1日

3)坂幸太郎
長期的なセラピィが有効であった小児ZoneⅡ屈筋腱断裂の一例
第32回日本ハンドセラピィ学会学術集会(オンライン) 6月28日~8月10日

4)阿部幸一郎
病態の異なる胸郭出口症候群の高校球児2例の治療経験
第32回日本ハンドセラピィ学会学術集会(オンライン) 6月28日~8月10日

5)坂幸太郎
片側性指神経損傷に対するSemmes Weinstein Monofilament Test測定部位の検討
指腹部を細区分した方法を用いて
日本ハンドセラピィ学会誌:12巻4号,170-173

6)阿部幸一郎
病態の異なる胸郭出口症候群の高校球児2例の治療経験
日本ハンドセラピィ学会誌:12巻4号,193-197

【2021年】

1)阿部幸一郎
行射を始めて胸郭出口症候群が発症した弓道部員の治療経験
-射法八節の会に関する一考察-
第33回日本ハンドセラピィ学会学術集会(長崎市) 4月24日~25日

2)坂幸太郎
足部遊離皮弁術後の指外し現象に対してADL評価を活用した1例
第55回日本作業療法学会(オンライン) 9月10日~9月11日

3)坂幸太郎
長期的なセラピィが有効であった小児ZoneⅡ屈筋腱断裂の一例
日本ハンドセラピィ学会誌:13巻3号,133-137

【2022年】

1)坂幸太郎
高齢者の屈筋腱皮下断裂術後に対する早期運動療法の治療成績
第34回日本ハンドセラピィ学会学術集会(北九州市) 4月16日~17日

2)阿部幸一郎
胸郭出口症候群を見過ごさない
第34回日本ハンドセラピィ学会学術集会(北九州市) 4月16日~17日

3)阿部幸一郎
行射を始めて胸郭出口症候群が発症した弓道部員の治療経験
日本ハンドセラピィ学会誌:14巻4号,175-179

4)阿部幸一郎
胸郭出口症候群を見過ごさない
日本ハンドセラピィ学会誌:15巻1号,44-50

【2023年】

1)坂幸太郎
片側性指神経損傷に対するSemmes-Weinstein monofilament Testの有用性と神経断裂に関連する要因
第35回日本ハンドセラピィ学会学術集会(東京都) 4月22日~23日 ※一般演題優秀賞

2)阿部幸一郎
胸郭出口症候群における腕神経叢の滑走制限について
第34回日本末梢神経学会学術集会(京都府) 9月8日~9月9日

【2024年】

1)坂幸太郎
母指CM関節症に対する総合的アプローチによる保存療法の効果
-スプリントの除去を目指して-
第36回日本ハンドセラピィ学会学術集会(奈良市) 4月27日~28日

2)坂幸太郎
片側性指神経損傷に対するSemmes-Weinstein monofilament Testの有用性と神経断裂に関連する要因
日本ハンドセラピィ学会誌:16巻3号,136-140

3)坂幸太郎
更年期以降に多くみられる手の疾患に対するセルフケア
手の痛み解消する女性のための手外科講座 9月14日




PAGETOP
Copyright © Saitama Hand & Microsurgery Institute All Rights Reserved.