TFCC損傷

症状

手首(手関節)を小指側(尺側)に曲げた時やドアノブや蛇口、ペットボトルのふたを捻るときや、タオルを絞った際に手関節の尺側に痛みを生じます。
不安定性が強い場合には手関節がゆるく抜ける感じがすることもあります。

TFCC損傷

原因

手関節の尺側にある三角線維軟骨複合体(TFCC)という組織が損傷されることで痛みやぐらつきが生じます。
損傷の原因は外傷によるものと、加齢による変性によるものがあります。外傷はスポーツや日常生活で手関節を捻って生じる単独での損傷と、手関節の骨折に伴う合併損傷があります。また、手関節を尺側に曲げる様な動作を繰り返すラケットスポーツ等で慢性的なストレスを受けて生じることがあります。
手関節の橈骨と尺骨の高さのバランスで、尺骨の方が高い方(プラスバリアンス:は尺側へのストレスを受けやすくTFCCの損傷や変性が起こやすいです。もともと尺骨プラスバリアンスの方もいますが、橈骨遠位端骨折などの外傷後や手関節の変性が進行して尺骨プラスバリアンスになる場合もあります。

治療

新鮮外傷例では手関節をスプリントやサポーターで4-5週間固定します。尺骨先端の骨折を伴う場合には肘上までの固定とします。スポーツなどでの慢性的な痛みの場合には、サポータでの固定や炎症を抑えるためのステロイド注射を行います。
適切な保存加療を行っても症状が改善しない場合には手術を行います。
手術では関節鏡でTFCCの損傷状態を確認し靭帯の修復方法を検討します。尺骨のプラスバリアンスがある場合には尺骨を骨切りして短縮し、プレートで固定する場合もあります。